鹿角霊芝発見で国を挙げての大騒ぎ
「芝」という漢字は、現在では「芝生」のイメージがありますが、本来の字義は「瑞草」「神草」、つまり霊芝のことを指しています。(『角川漢和中辞典』)
霊芝は、後漢時代に集約された中国最古の薬物書『神農本草経』に、上薬(上品:ジョウホン)として載録され、「久食軽身不老延年神仙」(久しく食すれば身体が軽やかになり、長寿を得て仙人の域に達せられる)と記されています。我が国においても「幻の和漢薬」として古くから珍重され「万年茸」「三芝」「吉祥茸」の別称で呼ばれていました。
霊芝の中でも「鹿角霊芝」は、霊芝数十万個生じる中では1本生じるかどうかの「極品」として位置付けされ、『漢書・武帝記』には鹿角霊芝が発見されると皇帝に献上され、吉兆であるとされ、国をあげて祝宴が催され、大赦令を出し霊芝の詩を作ったと記されています。
鹿角霊芝は霊芝の中でも最高の極上品として位置付けられ、日本でも顕宗天皇(第23代、在位450~457年)に三本に枝分かれした神草、つまり鹿角霊芝が献上され、「三枝部連(サエグサベノムラジ)」の名を賜ったとされています。
この鹿角霊芝の人工栽培が日本で成功し、現在、多方面からの注目を浴びています。最近の研究で、キノコ類は生活習慣病に有効であるとする医学的報告が多く発表されて、改めてキノコが持つ不思議な力が見直されています。それらに共通する有効成分として、キチン質並びにベータグルカン類を中心とする多糖類が非常に多く含まれていることがわかりました。その中でも、ベータグルカン量が最も多いのが鹿角霊芝です。