そのほかの仙薬 |
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真珠 真珠は直径一寸以上のものを飲むべきである。これを飲めば、長久なる命を得ることができる。酪漿(牛・羊の乳)にこれを漬ければ、水銀のようになる。また、浮石水・蜂の巣・蛇黄などをこれと合わせて、丸めてこれを飲むと、死せずして長生きする。 桂 【肉桂】 葱涕(ネギ水)と合わせて蒸して、竹の油と合わせてこれを食すると良い。また、亀の脳と合わせてこれを七年間飲めば、水上を歩行し、長生きとなる。 趙他子(人名)は桂を飲むこと20年にして、足の裏に毛が生え、一日に500里を歩き、千斤の物を持ち上げることができた。 巨勝 【黒胡麻】 これを食すれば、老いず、中風にもならず、老化現象をくいとめることになる。 桃膠 【桃の木の樹液】 桑の灰汁でこれを漬けて、これを飲めば、百病が癒える。これを、長く飲んでいると身が軽くなり、身に光明あり。まるで闇夜に月が出るようである。 槐子【カイシ:エンジュの実】 新しい甕(カメ)に泥と混ぜて、封をして二十日間すれば、その表皮は全てはがれて、これを洗えば大豆のようである。これは主に脳を補う。長く食すれば、白髪にならずに長生きする。 五味子 【ゴミシ:モクレン科】 移門子(人名)は五味子を飲むこと16年、顔色は女性のごとく、水に入っても濡れず、火に入っても焼けず。 天門冬 【テンモントウ:ユリ科 根を食べる】 杜子微(人名)は天門冬を飲んで、18人の妾を持ち、130人の子供がいた。一日300里を歩くことができた。 菖蒲【ショウブ】 韓終(人名)は菖蒲を飲むこと13年にして、身体が毛に覆われ、冬も寒くなく、一日に一万語の書を読んで、これを全て暗誦することができた。 菖蒲は、石の上に生じた一寸九節のものを用いるべし。紫の花をつけたものが最も良い。 朮 【モチアワ:別名山アザミ、山精】 南陽の文氏が言うに、その先祖、漢代末の大乱に山中に逃げ込んだ。餓えて死のうとした時、ある人が朮を食べさせてくれた。数十年して、ついに飢えることなく、郷里に戻ったが、顔色はますます良くなり、気力もみなぎっている。「私は山中にいるとき、高い峰に登っても、疲れることなく、氷雪の中を歩いても寒さを知らなかった。」 林子明(仙人)は、これを飲むこと11年にして、耳の長さが5寸あり、まるで空を飛ぶように身が軽くなり、2丈の谷を飛び越えることができた。 菊花 【キクカ】 南陽の山中に甘谷水がある。この谷の水が甘いのは、谷の上流の両側に、菊の花が咲き、それが谷の中に散るためである。その居民たちは、井戸を掘らずに、ことごとく、この甘谷の水を飲んでいたら、老人は、高齢で140~150歳、若くても80~90歳、早死にする者がいないのはこの菊のせいである。 この地に赴任した高官が、毎月、甘谷水40石を送らせて、これを飲んだら、しびれや目眩などが良くなり、大いに恩恵を蒙ったが、やはり生まれた時よりこの水を飲んでいる者にはかなわないであろう。 菊花とヨク花(ヨクイ)はよく似ているが、味が違う。菊は甘くて、ヨク花は苦い。ことわざにもある「苦きことヨクの如し」のとおりである。 遠志 【オンジ:ヒメハギ科、根を乾燥させたもの】 陵陽子仲(人名)は遠志を飲むこと20年にして、子供が37人、本を開けば、読んだところを忘れることがなかった。 |
←前頁 次頁→ 抱朴子 内篇 巻之十一「仙薬」より |