5 五玉 【五玉とは蒼玉・赤玉・黄玉・白玉・玄玉のこと】 |
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玉を服する者は、その命、玉のごとし。玄真を服する者はその命、極まらず。玄真とはすなわち玉の別名なり。(本文より) 玉を飲むと、人は身軽に宙を飛び、地上に留まることはない。しかし、その道のりは遠く、百二百斤を飲んで、ようやく力を発揮できるようになる。 玉は、烏米酒や地楡酒に漬けて液体化させ、また、葱水(ネギの水)でこれを溶かして、飴のようにして、ダンゴにしてこれを丸薬とするか、または、粉薬にして、これを一年以上飲めば、水に入っても濡れず、火に入っても焼けず、体を切っても傷つかず、百毒も効かないようになる。 赤松子(仙人の名)は黒い虫の血に玉を漬けて、液体状にして、これを飲んだので、煙に乗って昇ったり降りたりすることができた。玉の粉もこれを水とともに飲めば、人は死なないようになる。 しかし、玉が金に及ばない点は、飲んだ者が、時々発熱することにある。玉の粉を飲む者は、十日に一度、雄黄(赤色硫化砒素)と丹沙(硫化水銀)をそれぞれひとさじ飲み、髪を散髪して、冷たい水で沐浴すれば、発熱を防ぐことができる。 薫君異(人名)は以前、玉を溶かした甘酒を盲人に与えて、目を見えるようにしたことがある。呉延稚なる者は、玉を得たが、その方法が間違っていた。禁じられている物を玉と合わせて、効果が無かったのである。事を詳しく知らずに実行したことを非常に悔いていた。間違った方法は、益が無いばかりでなく、かえって、災いを招いてしまう。 |
抱朴子 内篇 巻之十一「仙薬」より |