[前の画面に戻る] [INDEX]

抱朴子のミニロゴ

 1 丹砂 【タンサ:硫化水銀。最高の仙薬である金丹を作る材料となる】
 ←INDEX  次頁→

鴻臚少卿(人名)は、かつて、臨元の役人を務めたことがある。この県に寥氏という一族が住んでいて、先祖代代長生きでほとんどが百歳、あるいは八、九十歳の長寿だったが、別の土地へ引越した後は、その子孫がほとんど早死にしている。今は別の家族が、寥氏が元住んでいた場所に住んでいるが、これがまた、たいへんな長寿である。

彼は、この原因はその家にあると考えた。その家の井戸水が赤いのを疑い、井戸の左右を掘ってみたら、誰か昔の人が埋めた丹砂が数十石が出てきた。この丹沙を取り出して、近くの泉に沈めて、井戸の水は使わずに、泉の水を使ったところ、やはり、一族は長寿を得ることができた。ましてや丹沙を丸めてこれを飲めば、どのような効果があるか、おわかりだろう。

三戸(病名)を治すためにの薬を飲むなら、まさに丹砂を飲むべきである。
丹砂を飲む方法は、まず、丹砂一斤をついて、ふるいにかけて、醇苦酒三升、淳漆(うるし)二升と合わせ、弱火にかけて、丸薬ができる。ケシ粒のような大きさを3粒、一日二回、40日飲めば、腹中の百病は良くなる。
これを100日間飲めば、肌や骨もすこやかになり、
これを1000日飲めば死神も遠ざかり、天地が相調和し、日月が相望むように、自由自在に変化でき、光明を持つようになる。

・丹砂水(タンサスイ)を作る方法
丹砂一斤を生竹の筒の中に入れ、石胆(硫酸銅)、消石をそれぞれ2両を加え、上下を覆ってフタをして、漆骨丸でこれを封じ、乾くのを待って醇苦酒の中に入れ深さ3尺の地中に埋める。30日で水となって、色赤く、味が苦くなる。

→参考 金丹
←INDEX  次頁→
抱朴子 内篇 巻之十一「仙薬」より