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抱朴子のミニロゴ

 6 雲母【ウンモ】 
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雲母には五種類あって、多くの人は見分けることができないが、太陽に向かってかざし見れば、その種類を知ることができる。

一 雲英 五色が備わり、青味が強い。春にこれを飲む良い。
二 雲珠 赤味が強い。夏にこれを飲むと良い。
三 雲液 白味が強い。秋にこれを飲むと良い。
四 雲母 黒味が強い。冬にこれを飲むと良い。
五 雲沙 青・黄の二色あり。夏にこれを飲むと良い。

桂葱水玉(植物)を使ってこれを水にし(液体化)、または露とともに鉄器に入れて、玄水でこれを炒って水にし、あるいは硝石とともに筒に入れて埋めて水にし、または蜜を使ってこれを発酵させて、または秋露につけて、百日後に、なめし皮の袋に入れて、挽いて粉にする。

無巓草や樗(センダン)とともに、一年間飲めば百病を除き。三年飲めば老人が子供のように若くなり、五年飲めば、鬼神を使いこなせるようになり、火に入っても焼けず、水に入っても濡れず、イバラを踏んでもケガをしなくなり、仙人となることができる。

一般の物は埋めれば腐り、火をつければ焦げるが、雲母は猛火の中に入れても燃えず、地中でも朽ちることがない。したがって、雲母は人を長生きさせることができる。これを十年飲めば、飲んだ人の頭上にはいつも雲気が漂う。水でこれを飲むには、茅屋の雨水、または東方の水・露水をの中に漬けて百日たってから、飲むと良い。中山の衛叔卿(仙人)もこれを長く飲んで、雲に乗っていた。


抱朴子 内篇 巻之十一「仙薬」より